人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.52 成長株は電車の中でわかる
2008年4月14日更新
新入生や新入社員が街にあふれています。制服やスーツがなんとなく身につかないのもなんとなく初々しくていいものです。
ところで、電車に乗っているとますます増えてきたのが携帯電話を見つめる人です。先日は隣に座った若い男性が、携帯電話でマンガを読んでいました。あんな小さい画面でよく見えるものだと思うのですが、真剣に読んでいます。
携帯向けのコミックを含めた電子書籍市場はこのところ拡大の一途をたどっています。2005年には100億円だったのですが、2006年には280億円と2倍以上になっています。これほどまでに大きく伸びたのは、コミック配信です。実に40億円から190億円と急増しています。中でも増えているのが、携帯向けの配信なのだそうです。
携帯電話はパケット定額制が導入されて通信販売も急拡大をしています。しかも、通信速度の速い最新機種を各社が発売したこともあり、一層の市場拡大が見込まれています。コミック配信にしても、画像が大きくなり、画面の解像度があがったことで見やすくなりました。また、処理能力の向上で写真や画像の表示が一層スムーズになっています。
こうした携帯電話でのコミック配信には、閲覧ソフトがかかせません。携帯向けではセルシスという会社の「ブックサーフィン」というソフトがほぼ独占状態です。
セルシスというのは、名古屋証券取引所セントレックスに上場しており、もともとアニメやコミックの制作支援をしていた会社です。最近は携帯電話向けコミック、書籍の閲覧ソフトの利用が増えて、利用料が前年同月比190%と順調に業績を伸ばしています。
アメリカでは2007年にアマゾンが電子辞書端末の「キンドル」を発売しました。本体が399ドルで書籍1冊につき10ドル程度でキンドルに直接ダウンロードする仕組みになっています。通信はG3で通信料は無料です。なんと、新聞や雑誌も配信しているそうで、こうしたサービスが日本でも導入されれば、電子書籍市場が一気に拡大するかもしれません。
この3月末から新聞の活字がどこも大きくなっています。高齢者対策としてやっているのでしょうが、若者が電子書籍に移行する流れができている現在、活字を大きくするだけでは購読者を引き戻すのは難しい状況です。
私は活字世代なので、ネットで情報が流れても必ず新聞や雑誌で確認しないと、今一つ信用できないのですが、でたそばから消えていくネットニュースだけでOKという人も増えてくるのでしょう。
こうした時代の変化が激しいときには、新しい企業がさっそうと登場して株価をひっぱっていきます。
携帯電話というツールは、通信だけでなくライフスタイルも変えつつあります。そこを形成しているのは、どんな会社なのか。それを探していくだけでも、現代がみえてきます。
新入生にならって、まっさらな気持ちで目についたものをじっくり観察して、探究してみるのもいいかもしれません。
電車の中にだって、未来の大化け株を見つけるチャンスが転がっています。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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