人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.53 どこかで聞いたことがあるね。大きくてつぶせない!
2008年4月21日更新
GWが近付いていますが、今年はカレンダーの並びがよくないので長期に休みを取りにくく、旅行に出かける方が少ないのだそうです。
まあ、私は例年カレンダー通りに働いておりますので、GWといっても取り立てて変更はないのですが・・・。
ところで、3月14日に、JPモルガンとNY連銀の連合によるベアー・スターンズ証券救済が行われました。実は、この日にベアー・スターンズ証券は破産法の適応を申請する方針だったのだそうです。
恐ろしい話です。
仮に破たん処理されていると、1000兆円ものデリバティブ、クレジット・ディフォルト・スワップなどの残高が決済不能になって、世界の金融マーケットは恐慌的な状態に陥っていたことでしょう。
やはり、実質公的資金投入による“救済”は、やむを得なかったわけです。まさに、「大きすぎてつぶせない」という図式です。
バブル崩壊後の日本でも、大きすぎてつぶせないという話はよく聞かれました。しかし、1997年から98年にかけて、大手証券やメガバンクを相次いで破たん処理しました。大きすぎてつぶせないのをあえてつぶすという方針を実行したのです。
これがきっかけで、金融不安の引き金を引き、そのツケは国民に跳ね返ってきました。
今回のベアー・スターンズの救済を見る限り、FRBの決断は正しかったと思います。
ところで、サブプライムローン問題は最終章を迎えています。しかし、夜明け前が最も暗いといわれるように、何事も光明が見える直前がつらく苦しいのは世の習いです。
欧米の金融機関の損失はこれから一段と拡大するものと考えられます。なにしろ、証券化商品の資産価値が劣化しているうちに、2008年1月に新BIS規制が導入され、会計基準の変更が行われているからです。
IMFはサブプライムローン関連の損失を、当初2000億ドルとしていましたが、これを9450億ドル(約97兆円)に増額しています。さらに、ゴールドマン・サックスは関連分野を含め、最大1兆2000億ドル(約120兆円)の損失が見込まれる可能性があると、リポートを発表しています。
こんな時は、何をしてしのげばいいかというと、ひたすら嵐の過ぎるのを待つしかありません。そうでなければ、人があまり注目していないけれど成長が見込まれる企業の株式に少しだけ投資して様子をみるのもいいかもしれません。
東証2部のエルナーや東証一部の日本スピンドル製造など、一般の方にはあまり有名ではないのですが、ITや製造分野では欠かせない技術をもっています。気付かないところにも、宝の山はあります。このGWの休みを利用して、こうした会社を探してみるのもいいかもしれません。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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