人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.59 勝ち組の条件は現状認識とリスク・マネジメント
2008年6月2日更新
今年も、早いもので半年がすぎました。年初早々に世界的に金融危機がおこり、株価は下落したのに対して、原油や金、穀物などの先物価格が暴騰、国際緊張の高まりなどがありました。加えて日本では政治の混迷もあり、気の抜けない日々が続きました。
ところで、原油価格の上昇が続いています。それにつれて国内のガソリン価格も高騰、6月に入り1リットル170円になるという報道もあります。しかし、このままでは済みそうにありません。ゴールドマン・サックスは原油先物価格が年末には1バレル=141ドル、2年以内に200ドルになるとの見通しを発表しています。
この背景には、BRICsに代表される人口大国の猛烈な経済成長、生活水準の向上などによるエネルギー需要の激増があります。なにしろ、国家としての中国人とインド人を合わせると世界人口の4割を占めます。この人たちが冷蔵庫やクーラーを使い、一家に一台車を所有するようになったら、どれほどのエネルギーが消費されることでしょう。
また、イランの核開発、イスラエルとの対立、ナイジェリアの政情不安、自然災害などの地政学上のリスクも原油価格の高騰に拍車をかける要因となります。しばらくは目が離せないといえるでしょう。
株式投資に関しては、再三言っているように徹底した押し目買い作戦が有効です。安値圏ではガンガンの強気でいいのですが、高値圏ではあくまでも慎重な投資姿勢を貫くことが大切です。
株式投資の勝ち組の条件の中でも一番大事なところは、「現状を正しく認識して、リスク・マネジメントを徹底せよ!」ということです。
サブプライムローン・ショックは間違いなく、最終章を迎えています。
ちなみに、金融危機に関しての金融当局の対応には、次のような手順があります。
第1段階 金利上昇を抑制し、銀行の資金調達を容易にするための流動性の供給
第2段階 実体経済の悪化に配慮しての利下げ、金融緩和の推進
第3段階 金融システムを守る目的での金融危機の救済→公的資金の注入
つまり、政策対応は金融危機の深化とともに、段階的に強化されます。
FRBの対応は第3段階に突入しています。
ベア・スターンズ社(全米5位の証券会社)の救済スキームとして、不良債権300億ドルを切り離し、その受け皿にJPモルガンが10ドル出資して、NY連邦銀行が290億ドルを2.5%の公定歩合水準で10年間貸し付けを行いました。まさに画期的ともいえる救済策です。
これには受け皿に公的資金を使ったという前例に加え、大きいところはつぶさないという明確な意思表示であり、間接的にはベア・スターンズを救済合併するJPモルガンに対しての公的資金の注入という意味があります。
これを見るにつけても、アメリカの対応がいかに迅速かつスピーディであるかが分かります。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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