兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.62 地震が続いて気持ちが不安定なときこそ胆力を!

2008年6月23日更新
中国四川地震の被害が伝えられ、その惨状が連日報道されているところへ起こった岩手・宮城内陸地震。山があれほどあっけなく崩れてしまうのを目にするにつけ、自然の前にはいかに人間は微力なものかを思い知らされます。

それにしても続いた地震で、改めて耐震工事の必要性を実感しました。中国の学校ほどには弱い建物はないでしょうが、建物が30年、40年経っている学校などは耐震補強が必要です。文部科学省の推計では、大地震で倒壊する危険性が高い学校施設は全国に約1万棟あるとか。原則3年間を目標に耐震化を進めたいとの意向のようですが、地方によっては財源確保が難しい自治体もあるようです。耐震工事分野では矢作建設工業などが、独自の補強工事であるピタコラム(すでに、年商100億円規模)の技術をもっており、受注が増えていくのではないでしょうか。

ところで東京株式市場ですが、どうも潮目が変化の兆しが見られます。まず注目したいのが為替との関係です。今までは円高になると株価が値下がり、円安では株価が上がるというパターンがありましたが、それが崩れつつあります。
日経平均株価は今年3月17日には、1万1787円まで売り込まれました。下落幅は実に約6500円、下落率が35.5%に達しました。円高も進行しており、円相場は昨年6月22日の1ドル=124円14銭を安値に、今年3月17日には95円77銭の高値まで急騰しました。28円37銭の円高です。単純に計算すると1ドル=1円の円高は日経平均株価を約230円押し下げた勘定になります。

一方、3月17日を安値に、株式市場は猛反騰に転じました。日経平均株価は6月6日に1万4489円の戻り高値を付けています。上昇幅は約2700円、上昇率は22.9%となっているのです・4月~5月にはそれまで4兆円も売り越していた外国人が2兆円の買い越しとなっています。円相場は6月6日に106円26銭の安値をつけ、その後も円安傾向を強めています。ほぼ10円の円安が日経平均株価を約2700円押し上げました。まさに、円安→株高です。

先日開催されたG8の財務大臣会議では、「強いドルを堅持」することが確認され、FRBのバーナンキ議長も「ドル安を阻止する」とコメントしています。アメリカの金融政策のスタンスが金融危機に対応した緊急避難的なものから、各国共通のインフレ防止に変化したのではないかと考えられます。これは、商品市況のピークアウトにつながる可能性もあります。

従来からすると、円安→株高となるはずが、株価の動きは今一つです。この背景には内外の機関投資家の売り圧力があるようです。外国人買い戻しが一巡しただけでなく、欧米、アジア市場の株価急落を受けてリスク許容度を低下させていることも原因として考えられます。もちろん、円安は輸出関連企業には多大のメリットを与えます。

ここにきて株式市場では金利上昇(債券安)、円安、株安のトリプル安の恐怖が真剣に語られ始めています。現状ではありえないとは思いますが、潮目の変化には注意を払う必要があります。
昔から漁師は“潮目を見る”といいます。微妙な潮目の変化が危険な海難事故を未然に防ぐとともに、魚の存在を知らせてくれるのです。「戸板一枚下は地獄」といわれる世界で働いている漁師にならい目を見開き、感覚を研ぎ澄ませることが肝心です。



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杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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