兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.65 ベア相場でもブル相場でも投資の3力が試される

2008年7月14日更新
サミットが終わり、ようやく街中も平静を取り戻してきました。サミット期間中は繁華街にも人が少ないような感じで、やはり警備の強化による人手の抑制効果はあったかのかと思ったりします。とはいえ、商売をしている人にとってはさぞや迷惑だったことでしょう。

ところでサミットに注目が集まっている間に、株式市場は一層厳しい状況になってきました。NYダウの下落率はついに20%を超え、ベア(弱気)マーケット入りを示しています。NY市場のベア・マーケットとしては戦後10回目になります。9回の平均下落率は31、1%で、平均調整機関が14か月となっています。これを今回のケースにあてはめると下値のめどは1万ドル割れ、ボトムアウトの期間は12月ごろとなるのですが、どうでしょうか。

東京市場は続落記録を更新しています。12日連続の下げは1954年4月~5月の15日連続以来54年ぶりのことになります。チャートの専門家は、連謄→先高、続落→先安と解説します。しかし、続落は新たな下げ相場のスタートではなく、調整の最終局面に出現するケースが多いのです。いわゆる、梅雨明け前の集中豪雨に似ています。
たとえば1965年2月~3月に10日間続落という局面がありました。5月に山一証券、7月には大井証券に日銀特別融資が実施されるほどで、7月12日に日経平均株価が1,020円の安値をつけました。しかし、そこから猛反謄相場に転じたのです。

9日連続安は戦後7回あり、前回は2002年12月でした。これは翌年03年4月28日の歴史的安値の7607円の直前に出現しています。連続安は相場の転換期で前向きに考えることも必要です。歴史がそう語っています。
とはいうものの、日本の株式市場は企業業績の悪化というハンディキャップを背負っています。1株利益が減少しているのです。こんな状況下での株高はPERの上昇に頼らざるを得ず危険です。

この急落局面では近づきつつあるチャンスをじっと狙う必要があります。資力、気力、胆力の投資の3力が必要な時期を迎えつつあります。ベア相場で気落ちせず、ブル(強気)相場でも、舞いあがらず冷静にマーケットのチャンスの潮目をみる必要があります。

ここは押し目買いを実践すること。業績はいいのに株価が低迷している企業が数多くあります。日立建機系の名門企業であるTCMや、関連の帝国電機製作所、アルバック、エヌピーシーなどは候補といえるかもしれません。
いたずらにうろたえないでこの夏を乗り切りましょう。



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杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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