人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.66 「iPhone」でタッチパネルが普及する?
2008年7月21日更新
7月11日、アップルの「iPhone」が発売されました。早い人は3日前から店の前で待っていたとかで、発売日にはものすごい行列ができたとテレビが伝えていました。3日間で100万台売れたのだそうです。ものすごい人気です。
「iPhone」は、ボタンを使わずに指による画面操作が可能なこと、携帯音楽プレーヤーの機能を持っていること、高速インターネット接続が可能という多機能携帯電話です。
中でも注目は、指によるタッチパネル式画面の操作です。画像を大きくしたいと思えば画面上で指を広げれば画像が大きく表示されます。次のページにいくのも、指をちょっと動かすだけという手軽さとかっこよさが、若者にうけるのでしょう。
アップルに対抗する形で6月にNTTドコモから発売された「SH906i」も、全面タッチパネル方式です。これからは、各社がタッチパネル端末を開発するのは必至です。
実はタッチパネルは日本のメーカーの得意領域です。例えばタッチパネルの電極材料は、透明導電膜のITO(酸化インジウムスズ)フィルムです。これはフィルムにミクロン単位で物質を均一に「塗る」「貼り付ける」といった薄膜形成技術が必要です。これを得意としているのが、ヒラノテクシードという大証2部上場企業の子会社です。
また、日本写真印刷は携帯電話向けの世界最大タッチパネル供給会社です。タッチパネル表面の操作画面に使うハードコートフィルムでは、KIMOTOという企業が世界のトップ企業です。
「iPhone」の無線LANチップや制御ICなどの主要部品は韓国、台湾、香港の企業にさらわれてしまいましたが、これからますます伸びるタッチパネル分野では日本企業の攻勢は続きそうです。
ところで、物価がじりじり上がっています。原油、原材料の高騰が諸物価高騰に拍車をかけています。考えてみれば当然のことで、20年前と今では様相が一変しているのです。
一番大きく変わったのは人口です。市場経済人口は10億人から30億人に激増しました。生活水準の向上によって当然のことながら資源・エネルギーを含めたすべての消費が増え価格が高騰します。
世界の人口は1950年の25億人からいまや65億人。2050年には90億人を超える見通しです。人口が爆発すると深刻な食糧不足が起こることは明らかです。世界人口の4割は中国とインドに住んでいます。この地域で猛烈な経済発展が起こっており、資源・エネルギー、および水や食料の需要が高まっています。価格は高騰し、インフレ時代の到来が迫っています。
基軸通貨のドルに対する信頼も揺らぎはじめ、アメリカ一人勝ちの時代は終焉を迎えつつあるのかもしれません。これからは資産運用についても、インフレに備える視点をもたなければならないでしょう。
日本は長い間、平成不況にあえぎ、デフレの不安を抱えてきました。しかし、時代ははっきり転換しました。近づきつつあるインフレにどのように対処するのか、この夏休みにしっかり考えてみる必要もありそうです。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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