人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.67 暑さで人間も株式市場も夏バテか?
2008年7月28日更新
東京は、2008年7月19日に梅雨明けしましたとたんに猛暑が続いています。暑くなると思考が短絡的になるのか、ナイフによる殺傷事件が連続しているのも不気味なところです。
株式市場はというと、夏バテ気味とでもいうのか無気力感が漂っています。積極的に動けばやられるということで、投資家は手も足もでない状況です。
アメリカでは、11日に米貯蓄金融機関監督局が、資金繰り難が続いた住宅ローン大手の地銀インディマック・バンコープの経営再建断念を発表しました。メディアが過去3番目の大型金融破綻(はたん)と連日報道したためか、取り付け騒ぎが起こっています。
インディマックは1985年、米住宅金融最大手のカントリーワイド・フィナンシャルが設立した地域銀行です。カリフォルニア州に支店網を広げ、サブプライムローンよりも一段階信用リスクが低いオルトAローンを主力に融資を急拡大し、資産総額は320億ドル(約3兆4000億円)でした。しかし、サブプライム問題を契機に融資焦げ付きが急増し、昨年度に創業以来の赤字転落となり、ついには破綻という結果になりました。
アメリカには資金量10億ドル以下のコミュニティ・バンクが8000~9000行あるといわれています。これらの地域銀行の貸出の3~4割が住宅ローンであることからも、厳しい状況に追い込まれていることは容易に推察できます。サブプライムローン問題に伴う融資焦げ付き急増で、米金融機関の破綻は今年になってすでに5件目を数えており、さらなる破綻も予想されています。もちろん、当局は「小さいところは助けない」方針には変わりありません。
サブプライムローン・ショックは間違いなく最終章を迎えています。しかし、何事も最後は一番厳しく、苦しいものです。フレディマック、ファニーメイなどの大手は救済されるでしょうが、瀬戸際に立たされる小さい金融機関の危機はしばらく続きそうです。
ところで、夏休みを前に、原油先物市場にも若干の変化が表れているようです。アメリカ最大の機関投資家といわれるカリフォルニア州年金基金カルパースが、投資資金2兆円すべてをコモディティ市場から引き揚げたという情報もあります。
原油価格の高騰は「すでに勝負あった」と考える時期にきているのではないでしょうか。
これを潮目とすると、株式市場の底入れのタイミングが近付いてきたのかもしれません。
東京株式市場のテーマは依然として環境です。東芝系の半導体、太陽光発電製造装置メーカーであるニューフレアテクノロジーは昨年の8月以来大幅調整を続けています。チャート的にも底打ち反騰態勢を固めつつありますので注目です。日立建機の子会社のTCMにも注目です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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