兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.69 猛暑日続きは体力温存で秋を待つ

2008年8月11日更新
もしかすると、日本は温帯ではなく熱帯になってしまったのかもしれせん。そんな風に思いたくなるほど、日本中どこにいっても暑い日が続いています。
そんな陽気とうらはらなのが、株式市場です。冷えているというよりも、「フリーズ」しているというほうがいいような状態です。
7月28日の東証1部の売買代金は1兆7133億円と今年最低を記録しました。2007年12月27日の1兆5192億円以来の低水準といわれていますが、実は年明け1月4日の大発会の1兆7984億円をも下回っているのです。大発会は半日立ち会いです。それを下回ったのですから・・・・・。

市場は4~6月期の決算数字を見ようというムードが高まっています。そんなところに、トヨタが初の減収減益の発表です。北米での売り上げが急落したのが主な原因ですが、成長神話で日本企業をリードしてきたトヨタの4半期決算がこれですから、市場に与える心理的ダメージがかなり大きなものがあります。

そこへ持ってきて、目に余るヘッジファンドの横暴があります。買い物が薄いところをイベント系のヘッジファンドが個別銘柄を売りまくっています。彼らは決算発表と同時に、当該銘柄を売るのですが、その前にオプションの「プット」を買って、先物を売っています。
ヘッジファンドは商いの高速回転、売買執行時間の速さ、レベレッジの大きさなどで日本の投資家を圧倒しています。
彼らは日本の投資家を「プレーン&バニラ」(お子様ランチ)とバカにしています。一方で自分たちのことを「エキゾチック・プロダクト」(高度な金融工学を駆使する異能集団)と自画自賛しているのです。

お子様ランチには日ノ丸の旗が立っています。最後の最後には目にもの見せてやる!という心持でタイミングをじっと待ちましょう。なにしろ、相場で勝ち続けることは不可能です。ヘッジファンドはどこかで「プット」を利食うとともに、「コール」を買い始めます。そのタイミングが仕掛けのチャンスです。おごれるものは久しからず、とは歴史の真実です。とはいうものの、今週の日本はお盆休み、欧米は夏のバカンスシーズンで人がいません。無理をせず、体力を温存するというのは夏の正しい過ごし方です。

日本は金融危機、インフレ、原油価格の高騰など世界経済が直面している三重苦に対して、抜群の抵抗力を誇っています。資源・エネルギー、穀物価格の高騰は200兆~300兆といわれる富の移転をもたらします。消費国から生産国へお金が動くのですが、そのお金はいずれ還流します。
「カネは天下の回りもの」なのだから当然です。
1978年12月から81年11月の第二次オイルショックの時代には、1バレルの価格が12.7ドル→34.1ドルと急騰しました。その時の東京市場をみると、なんと36.5%上昇しています。歴史は繰り返します。後半はおそらく再現があるにちがいないと期待しています。

熱い夏は無理に動くと、熱中症で倒れることもあります。じっと秋風が吹くのをまつのが大人の過ごし方です。嵐のときは動くな!との教えもあります。



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杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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