人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.70 「敵国を撃沈せよ」ってオリンピックではありません
2008年8月18日更新
北京オリンピックは中盤になり、ようやく日本も元気が出てきました。北島クンの2大会連続の2つの金メダルや体操個人では内村クンの銀メダル、そうだフェンシングでは日本人として初めて銀メダルに輝いた太田クンという頼もしい存在もいます。
がんばれニッポン!コールが各地で起こっておりますが、私はここで声を大にしていいたいですね。
「株式市場でもがんばれニッポン!」
先週も少し書きましたが、外国人の横暴がとまりません。もとより、外国人には中長期を信条とする伝統投資家や、スティールパートナーズに代表される新興投資家、金融工学を駆使する自称異能集団のヘッジファンド、それに存在感を高めているSWF(国富ファンド)などがあります。
このほか、ミューチュアル・ファンドや広義のオイルマネー、アジア勢、それに日本の法人や個人の外貨建資産などが一定のシェアをもっています。しかも、どれが主役になるかによって、相場がガラリと変わってしまうので困ったものです。
とりわけ最近の株式市場に大きな影響を与えているのが、ヘッジファンドです。最近の原油、トウモロコシ、天然ガスなどコモディティ相場の急落で壊滅的なダメージを受けたヘッジファンドもあるようですが、余力と威力のあるヘッジファンドはまだまだ生き残っています。
特にイベント系のヘッジファンドの動きは注意が必要です。プット・オプション、株価指数先物などを組み合わせて、ちょっと業績が悪いと貸し株を使って売りを浴びせてきます。
しかも業績のいい銘柄も売ってきます。「業績の伸びに勢いが消えた」といって任天堂を売り、「ゴールデン・サイクルが断絶」と決めつけて日立建機を売ります。
アルゴリズム取引、マーケット・ダイレクト・アクセス注文、ブロック・アウト戦術などを駆使してやりたい放題です。
ロング&ショート戦略も使っています。たとえば日立製作所をロング(買い)として、東芝をショート(売り)しているアメリカ系のファンドがあります。感覚的には「日立売りの東芝買い」なのですが、彼らは逆です。常識と反対のことをやって、しかもこの作戦が大当たりなのです。これなど一種の裁定取引です。
ただし、ここで注意が必要なのが、このポジションはある日予告なしに解消されるのです。欧米の銀行株売り、日本のメガバンク買いのポジションが7月末以降一転して、欧米の銀行株買い、メガバンク売りに変わったように、いつ反転するかわからないのです。
ファンダメンタルズ無視のヘッジファンドを前に、敏腕ディラーも太刀打ちできずに立ち往生しています。このままでは不毛の大地になりかねません。善良な投資家がいなくなり、証券のみならず日本経済が大きな損失を被ることになります。
このままでいけません。敵国ヘッジファンドを撃沈しなければ日本が沈没してしまいます。がんばれニッポン!
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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