兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.73 2代続けて政権投げ出しの影響

2008年9月8日更新
 残暑厳しき折ですが、株式市場もかなり厳しい状況が続いています。日経平均株価が3月17日の安値1万1787円を下回るかどうかが、当面の焦点です。アメリカに続き、ユーロの景気も後退局面に入ることが鮮明になっています。
 そこへ持ってきて、福田首相の突然の辞任表明が飛び込んできました。2代続けての政権投げ出しです。本当にこの国は一体どうなっているのでしょうか。

 昔から「政治は経済を超える」といわれてきました。マーケットが政治の混迷を嫌うのは当然です。
 昨年9月12日の安倍首相の辞任劇のケースでは、1ヶ月後の日経平均株価は1万5797円→1万7331円と1534円の急騰でした。首相退陣のニュースに対して、株価が好材料と判断して上昇するというのは、おかしな話なのではないでしょうか。
 しかし、これが現実なのです。福田首相の辞任表明をうけて、9月2日の朝方は「不人気の首相退陣は好材料」という受け止め方が大手証券を中心に多く、日経平均株価は86円高でした。マーケットは「福田さんの最初にして、最後の株式市場に対する貢献」としてポジティブに反応しました。
 ところが後場に2時すぎには様相が一変します。アジア市場の急落もあったのですが、日経平均株価が8月22日の安値、1万2666円を下回ったために、ヘッジファンドのブロック・アウト、個人投資家のストップ・ロスの売りがでました。

 日本の首相は平成に入り13人、近く14人目が誕生します。歴代13人の名前をスラスラ言える人は何人いるでしょうか。
 竹下、宇野、海部、宮沢、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉、安倍、福田の各氏です。
 実に20年に13人の首相が登場し、消えていったのです。このうち小泉さんは6年近く担当していたのですが、他の方の平均在職年数がわずか1年、ほとんど毎年のように低レベルの政変劇が繰り返されています。
 こんな政治には何も期待できません。しかも、今回を含めて2代続けての政権投げ出しです。日本のマーケットの売買代金シェアの6~7割を占める外国人は、政治リスクを嫌います。それだけに、今後の政治日程には注意を払う必要があります。

 海外に目を転じると、サブプライムローン問題はようやくヤマ場を迎えています。世界景気は減速していますが、資源・エネルギー価格がピークアウトし、インフレリスクが大幅に後退しており、景気対策を打ち出せる状況になっており、これが好材料です。
 このままいくと、底入れの時期は年末から年始にずれこみそうですが、大崩れはないように思います。外部環境はたしかに不透明なのですが、日経平均株価は9月5日に1万2212円の安値を付けており、もろもろの悪材料を織り込み済みだと判断しています。アメリカ政府は、ファニーメイ、フレディマックの救済を決断しました。これはトンネル脱出の第一歩です。

 また、これまでずたずた状態だった新興市場が復活の兆しを見せています。JASDAQ,東証マザース、大証ヘラクレスはとりあえずボトムアウトしており、短期的に大きな戻りが期待できます。アクロディア、アプリックス、アクセルマーク、ケイブ、ストロベリーコーポレーション、ザッパラスなどカタカナ企業に注目して、その動向を見るのも面白いかもしれません。ニッチビジネスは認知度がいま一つですが、これからが期待できそうです。



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杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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