人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.82 ヘッジファンド清算の危機?
2008年11月10日更新
日本の株式市場はNY市場および外国人の動向に振り回される展開が続いています。しかし、これはやむを得ないと思います。日本の株式市場は委託売買代金シェアの6~7割を外国人が占めている、特異なマーケットなのです。しかも、国内に中、長期の積極的な投資家が少ないのです。したがって、致し方ない面もあります。
外国人のリスク許容度は大幅に低下しています。この背景には、いくつかの要因があります。
① 金融危機→信用収縮(資金調達難)
② 世界的な株価急落、資源・エネルギー市況暴落のダメージ
③ ファンドの解約急増
などです。
特にヘッジファンドの多くは、解約が激増しています。中には、清算の危機に直面しているものもあります。専門家によると、ピーク時には1万本、資産総額2兆ドル(約200兆円)あったヘッジファンドは年内にその1から2割が消滅、資金の純減は最大4000億ドル(約40兆円)に達する可能性があるといわれます。ちなみに、外国人は2003年から2007年に約37兆円買い越しをしましたが、昨年7月以降は約3兆円売り越しています。最大の投資主体かつ買い手が売り越しに転じては・・・・。
ところで、今回のサブプライムローンショックにおける、NYダウの下落率は、40.3%ですが、日経平均株価の下落率は6割を超え震源地を大幅に上回っています。この原因は外国人次第であり、ずっと変わらない構図です。これをなんとかしないと、状況はかわりません。
一方、トヨタの業績の下方修正は、東京株式市場に衝撃をもたらしました。営業利益1兆円の世界企業が、半分近くに減ってしまうのです。それでも5000億もあるのですが、あのトヨタがというのが、多くの投資家の気分に水を差したのでしょう。たしかに急激な円高と金融不安は、実態経済に影を落とし始めています。
しかし、賢い投資家と形容される個人・現物は、9月第4週~10月第4週に1兆円の買い越しでした。彼らは、「株式巧者」としての行動パターンをいかんなく発揮していると思います。
立冬を過ぎ、街ははやクリスマスイルミネーションが輝きはじめました。なんとか華やかな気分で年末年始を迎えたいのですが、しばらくは寒風に耐えるしかないようです。まさに、風が冷たい!心が寒い!状態です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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