人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.85 株式市場のパニック投げ売りは一段落か?
2008年12月1日更新
私の人生60年で、これほど厳しい状況は記憶にありません。ひどすぎます。そうこうしているうちに、ついに師走になりました。今年は、9月ごろから市場関係者は青くなりながら、あちこち走りまわっていたので、いまさら「師走」などといっても、というのが本音ではないでしょうか。それにしても、ここにきてようやく「やれやれ」というムードが漂いはじめました。恐怖、かつパニック的な投げ売り状況はどうやら峠を越したようです。とはいっても、これで完全に大底を確認したとはいえません。需給面では、ヘッジファンドの日本株の未処分玉はかなり残っているといわれ、解約に伴う換金売りのために、まだ油断はできません。引き続いて波乱の火種は残っていることを肝に銘じ、残りの1か月を過ごしたいものです。
NYのマーケットも同様です。特にGM問題によってマーケットが揺れています。GMの経営危機は深刻で、もはや破産法11条の適用申請の道しか残されていないのではないかと思えるほどです。もちろん、仮にGMが破たん処理されたとすると、リーマンショックの比ではありません。社債のデフォルトが金融機関を直撃するでしょう(有利子負債は子会社を含めて20兆円!!)。しかし、政治空白の今、アメリカ政府には打つ手がないというのが現実のようです。オバマ氏は救済の方針を明らかにしていますが、ブッシュ政権にはその気はないようです。
各国の政策対応によって金融危機は徐々に封じ込めが成功しつつありますが、実態経済の悪化スピードは予想をはるかに上回っています。企業業績は予想以上に悪く、09年3月期は当初、7~8%の経常減益予想でしたが、現状では28~30%の減益予想となっています。パナソニック・ショックが好例です。
日経平均株価の予想1株利益は582円まで落ち込んでいます。これが昨年7月時点では961円、前期実績でも870円あったのです。年初来のPERはボトムが9.53倍、ピークが17.3倍であり、これを単純にあてはめますと、下値のめどは5500円がらみになってしまいます。仮にPER10から11倍の水準で下げ止まるとすると、5800円から6400円になってしまいます。もちろん、これは最悪のシナリオですが・・・・。
株価はそんな最悪のシナリオを想定して、動き始めています。ここはあらゆる状況を念頭に置いて、対策を講じるべき時期にきています。狼狽しないことが肝心です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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