人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.86 再び日本バッシングがはじまるのか?
2008年12月8日更新
どうして日本人の政治家はこれほど無能なのでしょうか。11月15日ワシントンで開催されたG20による緊急首脳会合において、日本は頼まれもしないのにIMFに対して1100億ドル(約10兆円)の追加拠出を表明しました。しかし、その見返りに何か得られたというのでしょうか。何もありません。むしろ、求められたのは財政出動!をという、新たな要求です。
そもそも、ブルトンウッズ体制(ドルを基軸通貨としてIMFを創設する)は、第二次世界大戦の戦争終結の1年前、1944年7月に当時の連合国側が戦後の金融・経済の枠組みを決めたものです。したがって、敗戦国である日本の発言権は弱いのです。国連もそうですが、日本はお金だけを出し続けているのです。
それならしゃしゃり出ることなく、黙っていればいいのではないでしょうか。中国は拠出を迫られましたが「本国に持ち帰って」と即答を避けています。これが賢明な策といえるでしょう。
今回のG20は、フランスのサルコジ大統領とイギリスのブラウン首相の強い要請で開催されました。というのも、ヨーロッパの銀行がサブプライムローン・ショックでダメージが大きかったことに加え、新興・発展途上国向けの融資残高が3兆5000億ドル(約360兆円)と突出しているという理由があります。ヨーロッパは新興・発展途上国の金融危機を回避するために、IMFの増強が必要だったのです。その作戦にみすみすはまることはないじゃないですか。
10兆円の資金は国内の中小企業対策などに使うべきです。日銀はゼロ金利を復活させ、円高阻止をはかる必要があります。今求められているのは、「国益」重視の姿勢です。アメリカのオバマ新政権は、ティシモー・ガイトナー財務長官、ローレンス・サマーズNEC(国家経済会議)議長を指名するなど着々と手を打っています。現在のような政治の迷走が続いていると、1993年1月発足のクリントン政権で、ミッキー・カーター氏を通商代表に、ローラ・タイソン氏をCEA(大統領経済諮問委員会)委員長に任命、厳しい対日姿勢を貫いたときと同じような状況になることが予想されます。1995円4月19日には1ドル=79円75銭の超円高になり、日本企業はかなりの打撃を受けたのですから。
実態経済に影響がでている上に、円高、日本バッシングが重なったとしたら、かなり厳しい状況になることが予想されます。このため一層の自衛が必要かもしれません。
バックナンバー 最新10記事
杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
週刊 今株ドットコム」にて2銘柄を配信中!!