兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.89 2009年 己丑は躓くのか?

2008年12月29日更新
 毎年この時期になると、干支と相場について考察しています。さて、2009年は己丑(つちのと・うし)はどうなのでしょうか。

 兜町では「うしは躓く」といわれます。過去の丑年を振り返ってみると、なるほどと頷ける面もあります。
1949年にはドッジデフレがありました。1961年は株価、景気のピークその後「40年証券不況」に突入しています。1973年は第一次オイルショック、1985年にはプラザ合意があり超円高がスタートしました。1997年は、ご存じ山一証券と北海道拓殖銀行が破たんした金融危機!考えると散々です。

 日経平均株価の年間騰落率はマイナス11.4%と、十二支の中では最悪のパフォーマンスとなっています。しかし、過剰に心配することもありません。なぜなら、2008年は戊子(つちのえ・ね)でしたが、この年は「ラッキーエイト」とか「ネズミ繁栄」などいわれ、期待されていたのです。ところが、実際は、あえて言うまでもなく大変厳しいものでした。世界的な金融危機に直撃され、株式市場には大嵐が吹き荒れ「ネズミ繁栄」どころか「ネズミ大脱走」になったではありませんか。

 それに、干支はだめでも、十干では悪くありません。つちのとの年は西暦の末尾が9の数字になります。9が「カブ」に通じ、縁起のいい年回りになります。9のつく年は十干の中では、2番目の上昇率(17.8%)を記録しているのです。

 こうして近づく2009年を見ると、1~3月はまずまずで推移するのではないでしょうか。なにしろ、開けて1月20日にはオバマアメリカ大統領の就任式があります。
 彼はリンカーン元大統領にならって、ワシントンに列車で入るそうです。かなり華やかな式典になることが予想されます。また、彼はルーズベルト元大統領を意識しています。就任早々70兆円~80兆円の景気対策を発動します。現代版ニューディール政策ともいえるもので、300万人の雇用創出を狙っています。

 しかし、同時にビッグ3の問題をどのように解決するかという、難しい選択に迫られます。確かに一度倒産させると250万人の雇用が失われるといわれています。しかし、現在のアメリカにおいては自動車産業のGDP比率は、わずか0.8%に低下しています。花形産業であった自動車は、すでに過去の産業になっているのです。しかし、パワーがダウンしているとはいうものの、そこはビッグ3ですから、長い歴史の中で確立されていった労働者の権利も含めて、財政的な負担を強いられる多くの問題を内包しています。
 オバマ政権はまさに前途多難といえます。ということを総合的に考えると、己丑は3月まではなんとかいけますが、春になるとちょっと躓くことも考えられます。

 牛本来の姿は、辛抱強く精進を重ね、繁栄を築くといわれます。これにかけて、まずは辛抱、辛抱で1年を過ごすというのがポイントかと思います。



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杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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