人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.90 変革の2009年に幸いあれ!
2009年1月5日更新
皆様、あけましておめでとうございます。首都圏は穏やかな年明けでしたが、みなさんはこの年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか。ところで、昔は、「株をマクラに年越しを!」といわれましたが、今や「キャッシュ イズ ゴールド」、現金こそすべてが潮流になっています。昨年12月30日の大納会の終値は8859円で、年初に比べると42%の落ち込みでした。戦後最大の暴落率です。これではおちおち株式など持っていられないと思う人が増えるのも、いたしかたありません。まったく、困ったものです。
加えて、急激な円高です。昨年1年で22円以上の円高になっています。日本の株式市場は合いも変わらず、NY市場や外国人、そして為替の動きに振り回される展開となっています。円安になれば株価が上がり、円高では株価が下がるというスタイルに全く変化がないのです。円高傾向は今年も続きますので、株式市場は為替に影響されます。まったく、困ったものです。しかし、2009年は変革の年、世の中が大きく変わります。
鍵を握るのはアメリカ政府です。昨年9月のリーマン・ブラザースの破たん処理が、その後の景気失速の引き金になったことがアメリカ政府のトラウマになっていて、他の金融機関に対しても「何がなんでも救済」につながっている面があります。この結果、政府が民間金融機関のリスクを丸抱えする状態になっているのです。おかげで、財政負担は膨張の一途をたどっています。
大統領就任式を1月20日に控えているオバマ氏は、GMなどビッグ3を救済する方針を固めているといわれます。しかし「倒産は経営者のコスト」と言われるアメリカのこと、会社側が再建断念を選択する可能性もあります。私はむしろこの方がすっきりすると思います。それに、ビッグ3の経営危機の隠れた要因と言われるレガシーコスト(退職者向けの医療保険や年金などの負担)を切り離すには、破産法の適用申請しか有効な手立てはないと考えられるからです。もちろん、GMが破たんしたら、そのダメージはリーマン・ブラザースの比ではありません。その衝撃は測り知れません。オバマ陣営は全米自動車労組の支援を受けているだけに、最終的には救済の道を選ぶのではないかと思います。
しかし、一連の金融危機対応策はアメリカの財政赤字を激増させます。2009年度の財政赤字は1兆ドルを大きく突破、2兆ドルに迫る勢いとの見方があります。これが現実となれば、ドル不安の再燃から円高圧力がより高まってくることが予想されます。これに対応するには、日本政府はドラスティックな財政出動→内需主導経済への転換、日銀はゼロ金利政策の復活が求められます。
1月2日のNY株式市場はオバマ政権誕生への期待と、年末の企業の大型の破たんがなかったことに対する安堵から、9000ドル台を回復しました。ともあれ、今日から仕事始め。希望を失わず、明るい気持ちで、1年のスタートを切りましょう!
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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