人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.91 兜町のアノマリー、1月は大型主軸株が人気!
2009年1月12日更新
「世の中はこれからもっと悪くなる」と考えている新成人が、実に50%以上というアンケート結果があります。今抱えている不安は何かについては「今後の進路」と答えた人67%と、将来を悲観している新成人がものすごく多いようです。これは、オーネットという結婚サービス会社がインターネットを通じて、今年成人を迎える全国の男女832人を対象に行ったアンケートの結果です。先行きに対する不透明さは時代に共通ですが、昨年秋からの金融危機で一層不安感が増すのは仕方がないのかもしれません。それにしても、これから社会に出て行こうという若い人が、これほど後ろ向きの考えを持ってしまう状況は困ったものです。
ところで金融危機は実体経済を直撃する形で第2幕に突入しています。みずほ総合研究所によると、1997年~2006年までの10年間に、金融業が証券化やデリバティブなどより年平均でアメリカのGDPの成長率を0.8%、イギリスのそれを1.4%押し上げたと試算しています。このかさ上げ部分がはく落するのは当然です。しかも、アメリカの借金漬け経済が破たんしました。この修復には5年程度に時間が必要だといわれています。もちろん、20日に誕生するアメリカのオバマ大統領に対する期待は大きく、一時的な反発場面はあるでしょうが手放しの楽観は禁物です。
日本に関して言えば、年明け早々専門家筋の大方の予想に反して、明るいスタートになっています。1月中は、堅調な展開が続くのではないでしょうか。特に大型主軸株の人気は回復しています。
実は兜町には様々のアノマリーが存在しています。アノマリーというのは、説明のつかない不思議な出来事という意味です。たとえば「1月には大型主軸株のパフォーマンスがいい」というのも、そのひとつ。しかし、これは説明ができます。前年10月から2月に決算期末を迎えた海外のヘッジファンド、投資信託、年金などのポジション調整が一巡し、新年にはこれらの機関投資家による買い戻しが行われるためです。
今年に限ってみても、大型主軸銘柄には例外なく貸株も含めて、カラ売りが入っています。加えて実需面でもキャッシュ・イズ・ゴールド(現金こそすべて)で、徹底的に売りまくりました。その反動で一転買いまくっているという状況もあるようです。
このように説明のつくアノマリーもあるのですが、まったく説明のつかないものもあります。たとえば、兜町とプロ野球の関係です。
巨人が優勝すると株価が暴落する。中日が優勝すると、政変がおこる。阪神が優勝すると長期上昇波動に突入する。
といったアノマリーがあり、ほぼ100%の確率を誇っています。なぜといわれてもわかりません。アノマリーですから。しかし、今年は巨人の上原投手や中日の川上投手などがメジャーリーグへ行きます。これで、もしかすると阪神が有利になるかもしれません。となると、株式市場は長期上昇…?
獲らぬ狸の皮算用もやってみたくなるような、年明けです。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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