兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.92 9のつく年は変革がキーワード

2009年1月19日更新
日本時間で水曜日の深夜、アメリカオバマ大統領が誕生します。初の黒人大統領の登場は大きな変革をもたらすことでしょう。アメリカのみならず世界も変わるにちがいありません。その上、過去を振り返ると西暦の末尾が9の付く年は、世の中が激変しているのです。たとえば、1999年にはユーロが導入されています、その10年前の1989年はベルリンの壁が崩壊、79年にはヨーロッパ初の女性首相としてサッチャー首相が誕生しています。もっとさかのぼると、1929年には大恐慌が起こりました。その10年後の1939年は第二次世界大変が勃発しています。末尾に9がつく年には、どうも世界で何かが起こります。

日本はどうでしょうか。まず政治が動くでしょう。総選挙での与党の惨敗は避けようがありません。自公連立はおそらく解消し、自民党の分裂の可能性もあります。政治の混迷は経済の足をひっぱります。そこに超円高の嵐が追い打ちをかけることでしょう。改めて指摘するまでもなく、日本経済は外需依存度は極めて高いという特徴があります。大和総研の試算では、世界経済の成長率が1ポイント低下すると、日本の輸出数量が4.4ポイント低下すると報告しています。

特に、世界的な自動車不況の影響を大きく受けるといわれています。意外に思う方も多いかもしれません。日本ではGDPに占める自動車産業の比率が3.2%あり、アメリカのそれを上回っています。アメリカは0.8%ですから、約4倍です。しかも自動車産業のすそ野は広く、自動車部品はもちろんのこと、鉄鋼、非鉄・金属製品、樹脂・ゴム製品、広告、小売、運輸・倉庫、機械、金融、ガラス、電子部品、電気など他方面にわたっています。経済学的には自動車生産1単位の変化が、マクロ生産3単位強を減少させるといわれます。つまり、自動車産業1兆円の減産は、マクロ生産を3兆円減少させることになるのです。これは大いなる問題です。

日本経済にとって深刻なのは、アメリカ以上にヨーロッパの景気減速が進んでいることです。フランス、イギリス、スペインなどの住宅バブルが崩壊したうえ、国家破たんの危機にさらされている発展途上国向けの融資残高は4.9兆ドルのうち、75%の3.7兆ドルをヨーロッパの金融機関が占めています。しかも、ヨーロッパの金融機関は「大きすぎて救えない」ところもあります。たとえば、ベルギー・ルクセンブルグのフォルティスの総資産は、2カ国のGDPの254%、オランダのINGは同290%、スイスのUSBは同484%、アイスランドのカウスプイングにいたっては623%と途方もないものになっています。

決して楽観できなない状況が続きます。この変革の年をどう乗り切るか、そのかじ取りを任された政府は、日本丸をどの方向に導くつもりなのでしょう。その肝心の政治が混迷し方向さえ見えないのが問題なのですが・・・。



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杉村富生 著書紹介



杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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