兜町10%倶楽部 - 杉村富生

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兜町10%倶楽部


人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。


Vol.97 行きすぎた政策対応はバブルを生む

2009年2月23日更新
日本の実質経済成長率(昨年10月から12月期)はマイナス12.7%となりました。2桁のマイナスは、第一次オイルショック以来の数字です。株式市場は世界景気の先行指数的な存在です。GDPに占める輸出のウエイトが16%と高いうえ、トヨタ自動車、コマツなど主軸企業の海外売上高比は7~8割を占めており、世界景気の影響を強く受けます。実際、アメリカのレート、OECD景気先行指数と日経平均株価との「正の相関関係」はよく知られています。教科書的には逆になるのですが、FFレート低下→株安、FFレート上昇→株高というパターンです。FFレートの低下にはアメリカ景気の悪化があり、日本経済および日本企業はダメージを受けるという構図でしょうか。

こうした状況に対して、各国は政策対応を早急にまとめるべき動いています。しかし過去を振り返ると、政策対応はいつも行き過ぎる傾向があります。1987年におこったブラックマンデー、1997年~1998年の日本の金融危機、アジアの通貨危機、ロシアのルーブル大暴落といった大事件が起こった後を思い出してみましょう。その後の政策対応によって次のバブルが起こっています。

デフレの切り札は①戦争特需、②財政出動、③通貨安定政策、④インフレと言われています。実際、バブル崩壊後の1991年には湾岸戦争が、2001年に同時多発テロが起こっています。不思議というか都合よく戦争がはじまっているのです。今回はどうでしょうか。また、財政出動に加え、FRBの国債買い取り、日本政府の政府紙幣の発行など非伝統的な政策を続けていたらインフレはさけられません。

アメリカでは金融機関の不良債権を切り離すバッドバンク構想が浮上、日銀のCP、社債の買い取り(3兆円)も始まっています。バッドバンク構造は議会との調整が難航しそうですが、ガイトナー財務長官、バーナンキFRB議長ともにその必要性は十分に認識しています。最終的には創設されるのではないかとおもいます。
日本の場合は第二次補正予算の関連法案を早急に成立させ、中小企業に対する信用保証協会の融資・貸出枠を6兆円→20兆円に拡大を実行する必要があります。

日本政府は相続税免除を条件に「無利子国債」発行計画を発表しています。しかし、日本では相続税の対象になるのはせいぜい4%で、のこり96%の人は相続税がかかりません。余計なことをしないで、粛々と申請すれば問題は起こらないのです。

実態経済は一段と厳しさを増すでしょうが、恐れることはありません。パニックは政策の母と再三書いているとおり、マーケットが混乱するごとに政策対応は強化されます。それが次のバブルを創生しないように、見守りながら慎重に進めるしかありません。



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杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員

1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。

■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数

■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他

■その他活動内容
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