人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.99 ポイントは金の価格だ!
2009年3月10日更新
ますます難しいマーケット状況になっています。足元は金融システム不安、景気後退、企業業績の悪化が一段と厳しさを増しています。こうした実勢悪と政策対応の綱引きの展開が続いていますが、残念ながら実勢悪が優っているようです。アメリカではついに、シティグループが公的管理下に置かれ、続いて保険大手のAIGやGMの処理が大きな政治問題となっています。
2009年3月9日の日経平均株価の終値は7086円03銭と1982年10月6日以来、26年5ヶ月ぶりの安値となりました。NYダウは3月9日に6547ドル05セントまで下げ、12年ぶりの安値に落ち込んでいます。チャートは底抜けの状態ですが、それでも直近の高値の2007年10月9日の1万4164ドル53セントと比べると、下落率は52.3%にすぎません。一方、日本は1989年12月29日の3万8915円87銭の史上最高値に比べると、下落率は81.6%となっています。
日経平均株価が下げすぎなのか、それともNYダウが下げたりないのでしょうか。今回の金融危機が100年に1度の危機と形容する以上、私はNYダウが下げ足りないと考えています。最悪のケースでは中・長期的に6000ドル台割れも覚悟した方がいいかもしれません。ただしここまでマーケットが下落すると、オバマ政権はすかさずマーケットの声にこたえて、さらに公的資金注入、バッドバンク構想など金融危機克服にむけての施策を一気に具体化することでしょう。
その動きをいち早く察知する方法は、ずばり金価格と原油市況の動きです。金価格が上昇しているのは、金融システム不安とその政策対応に伴う通貨(貨幣価値)下落を反映したものです。原油価格の下落は世界不況、原油需要低迷を映しています。つまり、金融システム不安が解消され、世界景気が回復に向かうと、まず金価格が下落し、原油市況が上昇するはずです。今年秋以降に注意が必要です。
さて、2009年1月20日のオバマ大統領の就任演説の中に「Jouney」と「Travel」という単語が5回もでてきました。すなわち、
「我々は長い旅を続けてきたし、これからも続くだろう。過去、独立戦争など多くの困難があったが、それを乗り越えてきた。今回の苦難もきっと乗り越えられるだろう」と。
つまり、まだ大変な時期が続くので、辛抱して春を待ということです。それには国民の協力と現状の厳しさの認識が必要なのは言うまでもありません。ということで、まだまだ厳しい状況は続きそうです。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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