人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.100 太陽が輝く季節は太陽電池で猛ダッシュ!
2009年3月16日更新
そろそろ桜の便りが聞こえてくる季節となりました。株式市場はまだ冬の寒さ、氷の冷たさに覆われていますが、確実に次の季節がそこまで来ています。アメリカからは、中古車価格のインデックスの上昇といった明るいニュースも聞こえてきています。
去年の今頃は、原油高騰のあおりをうけて、ガソリンの値段が毎日のようにあがっていました。アメリカの大手証券会社は、原油200ドルに世界経済は耐えられるかといったリポートを発表したほどでした。現在、原油価格はピーク時のほぼ3分の1に急落しており、OPECの総会では一層の減産の必要性について話し合われたほどです。こうした原油価格の下落のメリットについては、誰も語ろうとしません。2008年7月~9月期の日本の原材料の輸入金額年率換算は32兆円ありましたが、現在は、18兆円前後に減少しています。これは交易利得でGDPの4~5%に相当し、購買力向上に寄与します。主軸企業の集中的な在庫調整は4~6月には一巡するという見通しも出ており、変化の予兆は感じられます。
ところで、オバマ政権のグルーンニューディール政策もあり、自然エネルギーに対する注目が集まっています。日本は2004年までは国別の世界最大の太陽光発電の累積発電量を誇っていました。翌年ドイツに抜かれはしましたが、その技術は素晴らしいものがあります。それを追うのがアメリカです。現在、日本で一番の太陽光発電施設はシャープの亀山工場で、5250KWです。アメリカは一気に25万KWにまで増やす計画を立てています。
太陽電池市場の9割弱はシリコン型結晶系が占めています。安定的な実績に加え、太陽光を電気に変える変換効率に優れているのが利点でしたが、近年はシリコン使用料を大幅に削減できる薄膜系が急成長しています。変換効率は7~12%程度と結晶系の15~18%には劣りますが、製造装置があれば低コストで容易に参入できるのが特徴です。薄膜系と並び注目されているのがシリコン代替の化合物系です。
結晶系(単結晶、多結晶)が主力のシャープは、タンデム型の薄膜太陽電池の量産を開始しました。海外ではイタリアの電力最大手のエネル社と組んで、イタリアで薄膜太陽電池生産から発電までを事業展開する計画があります。京セラは多結晶型が主力ですが、シリコン原料の鋳造からの一貫生産が強みです。パナソニックの傘下になる三洋電気は、単結晶とアモルファス薄膜を組み合わせた独自の方式で変換効率19.7%を誇っています。このように、技術的には先行しているので、いかにアメリカのマーケットに進出するかがポイントです。太陽の季節に向けて、太陽光発電での日本企業の一層のリードに期待したいと思います。
バックナンバー 最新10記事
杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
週刊 今株ドットコム」にて2銘柄を配信中!!