人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.102 しばらくは利食い優先
2009年3月30日更新
春らしさとともに株式市場も多少底堅さがみえてきました。NY市場の上昇と円安傾向に加え、PKO・PLO活動やカラ売りの買い戻しなどもあって堅調な相場展開となっています。こうした年度末の株価を意識したお化粧は、少なくとも明日31日までは続くでしょう。ここで株価を下げさせるわけにはいきません。2009年3月10日前後の安値圏では、「絶好の買い場!」といくら主張しても多くの人はそっぽを向いていました。当然です。安いところではなかなか買えるものではありません。
気になるのは新年度です。調子に乗って高いところを買うと後で苦労します。日経平均株価が8000円を回復したので、「状況が変わった」あるいは「日経平均株価1万3000円を目指す」などにわかに強気になった人もいます。節操がなさすぎます。日経平均株価の8400~8500円ゾーンは、一目均衡表の雲の下限に突入したところで、この抵抗ラインを突き抜けて上昇するには、現在のエネルギーでは力不足です。
なにしろ足元の業績は一段と悪化しています。日経平均株価の予想1株利益は、ついに98円まで落ち込みました。ちなみに、前期基準は889円(ピークは2007年夏の961円)です。この結果、株価の上昇と相まって予想PERは2009年3月27日現在100.4倍となっています。もちろん、景気後退局面では「数字にこだわるな!言葉に耳をかたむけよ」が基本です。ファンダメンタルズ・アプローチはあまり役にたちません。
ともあれ、天井圏では投資の3性、大底圏では投資の3力が肝心です。すなわり、この局面では知性、理性、感性の3性が重要なのです。つまり、これまでファンダメンタルズを無視して、業績の悪い銘柄ほど上がるという傾向がありました。これからは銘柄選別に際して業績面に対する配慮が必要です。実際、セブン銀行、ACCESS、ミクシィなど小物ですが、業績のいい銘柄に物色のホコ先が向かってきています。
いずれにせよ、あまり無理をせず、過剰な期待ももたないで、しばらくは利食いで状況をみるということも大切です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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