人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.103 竹の子相場は旬が短い
2009年4月8日更新
桜が満開で、春一色の日本列島ですが、東京株式市場も久しぶりにぽかぽかです。日経平均株価は、2009年3月10日の7021円~2009年4月6日の8992円と比べ、上昇率28.1%の急騰劇を演じています。こうなってくると、売り方は戸惑いを隠せず、安いところを変えなかった人たちは、何か買わなければと焦ります。しかし、この局面で慌てる必要はありません。
ロンドンで行われた金融サミットでは、アメリカの責任を追及するヨーロッパと、今は財政出動をするのが優先を主張するアメリカと日本の対立の構図が垣間見えました。それに先立ちオバマ大統領は、GMが60日以内に改めて再生計画を提出しなければ破産法11条の申請も視野に入れる必要がある演説しました。しかし、仮に本当にGMが破産法11条の適用を申請し、アメリカの主力19行に対して厳格な資産査定を実施しているストレステストの結果次第では、金融システム不安が再燃する可能性もあります。となると、また株安が起こる可能性があります。しかし、おそれる必要はありません。パニックは政策の母と再三指摘しているように、マーケットが動揺し、人々がパニックになるたびに、政策対応が強化されているのは、周知の通りです。
とはいえ、相場が高めで推移しているとはいっても、日経平均株価の8800~9000円のゾーンで買うと苦労しそうです。このゾーンでは積極的な買いを控え、売り上がり方針を選択すべきでしょう。かといって過度に悲観的になることもありません。主軸企業の在庫調整が急速に進展しており、5月の連休明けには通常生産体制に戻す企業が続出しそうな気配です。半導体のように、市況は底入れをしたセクターも現れています。
需給面でみると、ファンドの閉鎖、解約にともなう外国人の投げ売りは峠を越えています。むしろここにきて、中・長期ファンドがキーエンス、ファナック、安川電機、住友電気などの株式を大量に取得しています。チャート的には昨年10~11月に安値を付けたあと、上昇パターを描いている銘柄が数多くみられます。たとえば、トクヤマ、住友金属、三菱マテリアル、コマツ、伊藤忠などは注目です。
さて、ちょうど新筍が出回り始めています。まさに旬、軟らかくておいしいものが食べられます。旬には美味しい時期のほかに「10日」という意味もあります。筍は文字通り10日で竹になります。旬は短いというよりも、竹は食べられません。今株式市場は猛反騰相場となっていますが、雨後の筍はいつまでも筍ではありません。これを肝に銘じておかないと、けがをしないとも限りません。
バックナンバー 最新10記事
杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
週刊 今株ドットコム」にて2銘柄を配信中!!