人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.106 パンデミックでどうなる世界経済
2009年4月30日更新
全国的に快晴のGWです。休日の高速道路通行料1000円効果もあって、世の中がようやく動き始めるか?と思った矢先のメキシコの新型インフルエンザ発生です。WHOは今回の影響についてフェーズ5にまで引き上げたという報道もあり、どのように広がっていくのか気になるところです。今のところ日本では患者は確認されていませんが、すでに北米だけでなく、ヨーロッパ、ニュージーランドなど10カ国で患者が確認されていることを考えると、GWの終わりに海外から観光客が帰国したあたりが心配です。
WHOは世界の製薬会社にワクチンの製造と、タミフルの増産を依頼したということですが、仮に世界的大流行のパンデミックになったとしたら、経済や社会が停滞することは必至です。最初に患者がでたメキシコでは、劇場、映画館など人が大勢集まる場所は基本的に閉鎖状態で、今週公開予定の映画「エヴァンゲリオン」も上映が延期になりました。レストランにはお客さんが全くおらず開店休業状態です。パンデミックになったとしたら、一般企業もおそらく休業せざるを得なくなるでしょうから、経済活動に関する影響は測りしれないものがあります。流行を最小限に抑える対策を早急に取る必要があります。どちらにしても、今後の成り行きを見る必要がありそうです。
ところで本日、アメリカの今年1月~3月のGDPが前期(2008年10月~12月)と比べて年率マイナス6.1%となりました。市場予測の平均4.7%マイナスよりも悪い結果でした。そもそも今回の金融危機、世界不況の背景にはアメリカやヨーロッパの住宅バブル、金融(証券化、デリバティブ)バブル崩壊をきっかけとする経常収支の赤字国と黒字国の不均衡是正の流れがあります。赤字国の筆頭がアメリカとイギリスで、黒字国は日本や中国などです。根底にあるのは過剰消費の修正です。ちなみに、アメリカの家計はこの1年間に9兆7000億ドルの“富”を失いましたが、これは逆資産効果にもつながっています。
アメリカの貯蓄率は2008年1月の0.1%から、2009年1月には5.0%と上昇しており、この分の個人消費が落ち込んだことになります。ところが2期連続で縮小していた個人消費が、ここにきてプラスに転じています。この影響を見守りたいと思います。
ともあれ、5月1日のメーデーから5連休という方も多いことでしょう。何をやるにもまず体力です。インフルエンザにも経済の不測の事態にも変えられるような体力をつけるためにも、この休みに運動でもしてみるのもいいかもしれません。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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