人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.110 欲にきりなし、地獄に底なし
2009年5月26日更新
このところ、マーケットは奇妙な楽観ムードが漂っています。内閣府が20日発表した2009年1~3月期のGDP(国内総生産)は前期比4.9%減、年率換算ではマイナス15.2%となりました。年率換算で14.4%に下方修正された2008年10~12月期を上回る戦後最悪の落ち込みとなったのです。2期連続の最悪の数値です。ところが、発表当日の日経平均株価は54円高でした。前日のNYダウは小幅安だったにも関わらずです。株式市場はGDPを気にしていないのか、というマスコミからの問い合わせが数多くありました。
もちろん、09年1~3月期のGDPは過去のことです。鉱工業生産指数は3月に6カ月ぶりに、前月比1.6%増とプラスに転じ、4月は4.3%増、5月は6.1%増と予測されています。これは在庫調整が一巡したことを意味しています。こうした状況に加えて、景気対策の効果もあり、4~6月期のGDPは5期ぶりのプラスになるだろうと予想されているのです。
こうした中で、世界では新型インフルエンザが流行し、為替が再び円高傾向になっています。最近の株式市場は円高→株安、円安→株高のパターンになっています。とはいっても、このまま一本調子で円高が進むとは考えにくいのです。というのも、日本の09年1~3月期のGDPのマイナス成長は戦後最悪であり、数値は欧米より悪いため為替にはこれが救いとなっているわけです。
株式市場全般をみるとまさに正念場です。日経平均株価(ザラバベース)は3月10日の7021円~5月11日の9503円と一気に35.4%の急騰となりました。ハイブリッドカーが人気のホンダは、この間86.9%も値上がりしています。このために足もとは値固めが必要です。これまでは売り方の買い戻しが中心でしたので、大きく値を下げた銘柄ほど上昇しました。業績面はほとんど無視されてきたのです。しかし、これからはそうはいきません。ファンダメンタルズにも気配りが必要になります。
古来、欲にきりなし、地獄に底なし!といわれます。この世界では、儲けたい、儲けようとばかり考えている人は大成しません。恩株を残せ、その思いやりが大幅利食いを可能にする!との相場格言もあります。恩株というのは、「恩人の株式」のことです。コストゼロの株式であり、単純計算では株価が2倍になった段階で持ち株を半分売れば残りはコストゼロになります。この売買手法はかつてカラ売り、CBなどを組み合わせ、仕手グループが多用したプロの技法です。
しかし、一般の投資家は、相場巧者の本多静六先生の「二割益出し、十割半分手放し法」のノウハウを実践することが重要です。持っている銘柄を短期投資と長期投資の二つに分けて、短期は二割上がったところで確実に利食い、長期投資は2倍(十割上昇)になった時点で半分売って、あとは持ち続けるという方法です。含蓄がありますね。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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