人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.111 個人がマーケットに帰ってきた?
2009年6月3日更新
ついに米ゼネラル・モーターズ(GM)が、クライスラーに続き米連邦破産法11章(日本の民事再生法に相当)の適用を申請すると発表しました。今年3月末時点のGMの負債額は1728億ドル(約16兆4100億円)であり、製造業としては世界最大の経営破綻です。アメリカ政府はGMに最大301億ドルを追加融資し、破産手続きを経て設立する「新GM」の約60%の株式を保有、事実上国有化して再建を全面支援します。
政府が発表した再建計画は、
(1)GMは11工場を閉鎖、3工場を休止
(2)カナダ政府とオンタリオ州も計95億ドルの資金支援を行い、約12%の新GM株を保有
(3)新GM株は、全米自動車労働組合(UAW)が医療保険基金への拠出額減額に応じる見返りに最大20%を、無担保社債の債権者は債権の9割放棄の見返りに最大25%を、それぞれ保有する
などが骨子です。債権の株式化(デッド・エクイティ・スワップ)の結果、クライスラーは発行株式の55%、GMは最大20%をUAW(全米自動車労働組合)が保有するという事態になります。これは異常です。
このところ日本の株式市場は猛烈な買い気です。相場は予想以上に強いといっていいでしょう。テクニカル的には調整がほしい局面ですが、完全に押し目待ちに押し目なし!の状況になっています。主要マーケット(株式指数)の直近安値から直近高値の上昇率をみると、NYダウは33.2%。日経平均株価は37.2%、NASDAQ総合株価指数は44.5%、東証マザーズ指数は43.0%となっています。しかも、個人の委託売買代金シェア(3市場ベース)が急上昇しており、4月は31.5%と2005年8月以来の水準になっています。
個人が元気になると小物が買われます。小物株のパフォーマンスが大型株のそれを上回るというのは、経験則です。事実、小型株はフィーバーの兆しを見せています。たとえば、王将フードやABCマート、日本M&A、田中化研、エムスリー、ドンキホーテなどが値を飛ばしています。いずれも好業績で、しかもテーマ性もあります。しかし、これらの銘柄は反騰第1ラウンドでは、まったく人気の圏外に置かれていました。というのも、今までは売り方の買い戻しが主役だったため、業績の悪い銘柄、大きく売り込まれた銘柄ほど強烈な反発力を発揮した面があります。
為替については円高圧力が強まっていますが、一本調子での円高は考えにくい状況です。むしろ目先は円安に振れる場面もあるでしょう。いずれにしても、円相場は1ドル=92から101円ゾーンでのもみ合いが予想されます。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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