人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.112 マスコミの強気転換が最大のリスク?
2009年6月8日更新
抜群に強い相場展開です。1ドル=98円台の円安が追風になっています。テクニカル的には調整が欲しい局面ですが、まさに「もうはまだなり」といった状況になっています。外国人に加え、個人が売買の主役に躍り出て、個人の売買代金シェアは2006年8月以来の水準に上昇しています。ただ、個別物色機運が極めて旺盛ですが、全般相場は徐々に上値の重い展開になるのではないかと思われます。日経平均株価は1万0500円あたりに上値のメドを設定できますが、短期的には9980円がらみの水準が大きな節目になりそうです。
全般相場はベアーマーケットラリー(長期下降トレンド途上における反発局面)の最終戦に突入しています。従って、当面は個別銘柄での勝負になるものと思われます。NTTがインターネットを使って業務効率を大幅に高める手法である「クラウドコンピューティング」の研究開発に今後3年間に450億円投じます。この技術に関心を示しているのがアメリカ、およびグーグルです。ジョン・ルース駐日アメリカ大使は元グーグルの顧問弁護士(シリコンバレーが地盤)であり、ここにアメリカの情報戦略が見え隠れしています。IIJはNTTが筆頭株主であり、このプロジェクトに参加しています。すでに早耳筋の買いが入っています。
2009年6月1日のGM破たんを受け、平静さを取り戻した後のNY市場の動向や、息切れの兆候が見え始めた中国経済の行方、売り越しに転じた外国人の動きなど外部環境の不透明要因は気になります。とはいえ、しばらくは流れについていくとともに、機敏な対応(早乗り、早降り)が求められます。いたずらにポジションを膨らませることだけは避けた方がよさそうです。上値が限定されるだけに、基本は「利食い優先」です。
ところで、今「投資の時代」といわれており、官民上げての投資家育成、証券市場活性化に向け努力が行われています。日本証券業協会、NPO法人「エイプロシス」などが開催している全国各地での後援会などの施策は高く評価できます。しかしながら、投資家にとっては残念な出来事が相次いでいます。兜町唯一の千代田書店が2月末に閉店、投資雑誌や専門誌も廃刊が続いています。証券業界の厳しさを物語るものですが、「投資の時代」がむなしく響いてしまうのは筆者だけでしょうか。アナログ情報が次第に消滅し、株式市場はますますネット全盛期に突入しています。
一方、つい数か月前まで、「恐慌突入だ!」と叫んでいた有力マスコミが、にわかに強気に転じ「株復活!」などの特集を組んでいます。この節操のなさには笑ってしまいますが、こうしたムードの変化は短期的に相場の転機になる可能性があります。当面の最大のリスクはマスコミの強気な論調でしょう。これは、注意が必要です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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