人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.116 現状は1993年と酷似!?
2009年7月8日更新
恐慌的な株価暴落時の底入れのテクニカルな目安として、「3年・9割」というデータが使われることがあります。ちなみに、世界恐慌ではNYダウが1929年9月3日の381.17ドルを高値に急落、32年7月8日には41.22ドルの安値まで下げました。下落率は89.2%です。そう、「3年・9割」です。
日本の新興市場は2006年1月17日のライブドア・ショック以降、恐慌的な暴落に見舞われました。東証マザース指数は2006年1月16日の2800.68ポイントを高値に急落、08年10月28日には255ポイント、09年3月12日には277.17ポイントの安値をつけています。下落率は実に90.9%に達しました。同様に大証ヘラクレス指数は同期間に90.1%の下落率を記録しました。ともに、「3年・9割」です。
加えて、このところ個人投資家の存在感が増しています。個人投資家好みの中・低位株の一角が大フィーバーを演じています。全般相場は徐々に高値波乱の展開となりそうです。それだけに、材料株が人気となっています。新興市場暴落は3年・9割で底入れ…というところでしょうか?
ところで、現在の状況をみると1993年と酷似しています。1993年1月には民主党のクリントン大統領が誕生し、その後8年にわたる民主党政治が始まりました。この間に、日本バッシング→円高のスタートになりました。それまでは、レーガン大統領の8年と、ブッシュ大統領の4年の合計12年の共和党政権が続き、日米関係は極めて良好でした。しかし、民主党政権になり日米関係がギクシャクするとともに、円高圧力が強まり、政治が大混乱に陥ったのです。当時の日本では、3月にゼネコン汚職で金丸自民党副総裁の逮捕、4月に大型景気対策、7月に解散・総選挙で与党自民党が過半数割れをして、小沢氏が新党を結成して分裂、8月9日には細川連立内閣が発足しました。自民党が下野したのです。こうしてみると1993年は今年と驚くほど状況が似ています。
現在の衆議院の勢力分野は定員480に対して、自民党が304、公明党が31、民主党が113、共産党が9、社会党が7、国民新党5、欠員2、その他無所属が9となっています。ここで選挙があると、自民党は200~210に激減、民主党は210から220とほぼ倍増すると予想されています。この結果、野党連立政策が誕生することになりますが、過半数を確保するには社民党、共産党、国民新党の協力を仰がざるを得ません。日米関係を含め、政治が迷走する可能性があります。
株式市場にとっては、ネガティブな材料です。93年は当初こそ新政権に期待して、9月13日に日経平均株価は高値をつけましたが、11月29日には下落率24.0%と急落しました。今回はどうなのでしょうか。政治の季節を迎え、細心の注意が必要なことはいうまでもありません。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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