人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.117 外国人は政治の混乱を嫌う
2009年7月15日更新
東京都議会議員選挙は民主党が大躍進、第一党になりました。自民党は40年ぶりという大敗です。日本は政治の季節を迎えています。現状では野党連立政権の誕生がほぼ確実視されていますが、問題はその組み合わせです。すなわち、社民党、国民新党との連立は政治の迷走を招く恐れがあります。特に外国人は政治のごたごたを嫌います。
株式市場は2009年7~9月まで波乱含みの展開になることが予想されます。日経平均株価は基本的に9100円~9500円の狭いゾーンでのもみ合いになりそうです。しかし、NY市場や為替の動き次第では9000円絡みの水準か、あるいは最悪のケースでは9000円台割れも考えられます。
というのも、頼みの外国人がこのところ売り越しを続けているからです。NYダウは完全に“崩れ足”(三尊天上を形成)となっており、これではリスク許容度が低下している外国人の買いは期待できません。円高が進行しているのも気がかりです。アメリカの貯蓄率は6.9%(2008年1月は0.1%)に上昇しています。貯蓄率とNYダウは逆の相関があり、やや厳しい状況が続くと思われます。
とはいうものの、選挙期間中の株価は堅調との経験則もあります。日経平均株価は2009年3月10日の7054円を安値に、6月12日には1万0135円の高値まで一気に急騰しました。上昇幅は3081円で上昇率は43.7%です。このピッチはいかにも早すぎます。当然、短期的にはスピード調整、踊り場の形成が必要となるでしょう。
ちなみに、1990年のバブル崩壊後、過去4回の反騰局面における第1ラウンドの上昇率は平均34.7%であり、その後平均11.3%の調整を入れています。今回の反騰局面とよく似ている2003~2007年のケースでは日経平均株価が、7607円(4月28日)→1万8261円(7月9日)と、2.4倍の急騰劇を見せています。ただし、大底から天井に4年強の歳月を要しています。
さらにこの時期は、金融危機の克服(不良債権の処理、りそなHDに対する公的資金の注入)に加え、バブルともいえる世界経済の急膨張がグローバル企業の業績を飛躍的に拡大させた時期でした。今回はその点が違います。今回、株価がもみ合いを早期に上放れ、一段高(反騰第2ラウンド)に進みにはファンダメンタルズの改善が不可欠だと考えられます。どちらにしても、選挙の洗礼を受けなければ始まらないというのは現在の状況と言えるのではないでしょうか。
バックナンバー 最新10記事
杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
週刊 今株ドットコム」にて2銘柄を配信中!!