人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.121 世界で起こっているリフレーション
2009年8月11日更新
今年は夏が来ないうちに秋になってしまうのでしょうか。時ならぬ大雨と台風で、各地で被害が出ています。これも異常気象の一つなのでしょうか。頼みの太陽がでないことには農作物の生育に影響が出ることでしょう。収穫の秋が心配です。
日本上空は黒雲に覆われていますが、東京株式市場は太陽が顔を出したようで強気の相場が展開されています。総選挙&夏休みモードで夏枯れかという予想をあっさり裏切り、抜群に強い相場となっています。
ちなみに、連謄記録は、
(1)大底からの立ち上がり
(2)上昇途上
(3)もち合い放れ
(4)長期上昇相場
の最終局面などに出現するといわれています。
今回は(1)と(3)のケースに該当します。いずれにせよ、これは長期的な強気シグナルといえます。
2009年8月4日には日経平均株価の200日移動平均線がトレンド転換(下降→上昇)しました。1990年のバブル崩壊後、このパターンでは5回目のトレンド転換です。過去4回のケースをみると、その後平均42.3%上昇、平均上昇期間は20ヵ月となっています。これを単純に今回に当てはめると2011年4月ごろに日経平均株価は1万4200円の高値を示現することになるのですが…どうでしょうか。
ところで現在、世界のマーケットにおいて進行しているのがリフレーションです。国際投資資金が株式、商品、新興国・高金利通貨、銅、ニッケルなどリスク資産に流れ込み上昇していまます。リフレーションとはリスク資産価格の全般的な上昇と定義されているのです。財・サービス価格が持続的に上昇するインフレーションとは違います。リスク資産が買われて高騰している反面、円、ドル、国債といった緊急避難的に買われたものは売られています。こうしたリフレーションとなっている現在を考えると、昨今の世界的な株高、銅、ニッケル市況の上昇、円安傾向などの動きが理解できます。
今週末の旧盆が終わると、いよいよ本格的な選挙戦が始まります。政治の大きなうねりや今後予想される激変を株式市場はすべて織り込んでいるとはいえません。民主党の政策目標の柱は所得分配機能の活用を通じた弱者(中・低所得者層)救済です。これに向けて税制が変わり大企業や高所得者層には負担増になり、それが高額商品の販売不振、法人需要の減退、勤労意欲の低下、企業利益の減少、潜在成長率の下ブレ、優秀な人材の海外流出、産業の空洞化、ドル債購入忌避による円高圧力、財政赤字の膨張など多くのネガティブな材料も出てくるでしょう。政権交代に伴うプラスとマイナスの影響をしっかり見据え9月以降の動きを冷静に予測することが大切です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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