人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.122 雨が降り出す前の打ち上げ花火?
2009年8月18日更新
本日、衆議院議員選挙の公示が行われました。政権交代選挙だ、マニュフェスト選挙だといわれていますが、国民はどのような審判を下すのでしょうか。選挙と夏休みで夏枯れと思われた東京株式市場ですが、まったく買い気は衰えていません。雨が降りそうだから、その前にみんなで花火を打ち上げてしまえ、といった状況です。
そう、いつまでも晴天は続きません。秋に予想される雨とは、景気回復の息切れ、政局の混迷、中国の金融引き締めなどいろいろあります。中国に関して言えば、上海株式市場の株価がずるずると不気味な下げを見せています。もちろん、急騰のあとだけに、当然の調整局面ともいえますが…。さらに、アメリカでは商業用不動産市況が月間6~7%のペースで下落しています。これを受けて商業用不動産担保証券(CMBS)の価格が急落して金融不安の新たなる火種となりつつあります。
これまで悪材料を無視して、一気に駆け上がってきた東京市場ですが、ここからは外部のネガティブな部分にも多少配慮する必要がありそうです。とはいっても、いたずらに弱気になることはありません。金融危機は急速に収束に向かっており、景気・企業業績などのファンダメンタルズは著しく改善傾向を見せています。株価は適当な押し目を入れてつつ、ジリ高をたどるでしょう。ということで、この局面が引き続いて徹底した逆張り(安いところを買う)作戦が有効だと思います。
ところで、私は注目しているものに、景気循環調整後PERという指標があります。過去10年間の実質株価を過去10年間の実質利益の平均で割ったものです。景気変動の波を受けることなく、トレンド的なPER水準を把握するのに役立ちます。この水準は現在、26~27倍です。ちなみに、過去30年の平均値は52倍になっています。日経平均株価のPERは前期基準が「-」(赤字決算のために算出不能)、予想ベースが40~42倍となっています。これではNYダウの12倍に比べ割高と思われますが、日本の金利水準、国情に合わせたPERでみると、30年来の最低水準です。
経常マージンは1~3月期マイナス0.6%、4~6月期2.2%と急改善を見せています。これはいわゆる売上高経常利益率ですが、東証1部企業の9月中間決算での予想経常マージンは1.4%であり、このペースは7~9月期も続くと仮定すると、11月頃の7~9月期の決算発表は増額修正ラッシュになることが予想されます。
夏休みが終わり職場に人が戻ってきました。残暑でバテている暇はありません。気を引き締めて、秋以降の展開をしっかり見極めることが必要です。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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