人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.124 民主党政権誕生で円高が続く?
2009年9月1日更新
民主党の圧勝で終わった衆院選挙をうけて「ご祝儀」ムードで始まった2009年8月31日の東京株式市場は、前場で1万767円の年初来高値を更新しました。ところが、急激な円高進行でその後は売りが出て、前日比41円61銭安の1万492円53銭となりました。
1ドル93円台に落ち着いていた為替相場は92円台に突入し、1か月半ぶりの円高水準となっています。民主党政権の誕生で、「日本の変化」への期待感から、ユーロや豪ドル、英ポンドなどでも「円買い」が進んだのではないかとみられています。
民主党政権で社会は大きく変化します。大企業、富裕層、株式市場には逆風が吹き、車のない人(高速道路の無料化→旧公団の借金34兆円は国が肩代わり)、中学生以下の子供のいない人(子育て支援→中学校卒業まで月額2万6000円支給)には負担増ばかりがのしかかります。まあ、ただほど高くつくものはない!というのは人生の経験訓ですが・・・・・。
東京証券取引所の下振れリスクが高まるのは、新政権が発足する9月中旬以降と思われます。新政権のマニフェストのネガティブな部分がクローズアップされるほか、そのころはアメリカ、中国の景気回復の息切れが鮮明になることが予想されます。初旬の高いところは手堅く利食いを優先させるべきだと思います。何事も、無理は禁物です。
ところで、株式市場は先物主導の展開が続いています。ミサイルが飛び交う空中戦となっており、相場が強い割には「儲からない」という声も多くなっています。一方、NY市場では高等数学とコンピュータを駆使したアルゴリズム取引、フラッシュ・オーダートレーディングが主流となっており、日によってはこれらの注文が売買代金の7割を占めることがあるといいます。フラッシュ・オーダートレーディングは、機関投資家の手口情報(有料)を1万分の3秒というスピードで入手して、1万分の4秒のタイミングで売買を執行します。ゴールドマン・サックスはこの手法によって、前期だけで210億ドル(2.1兆円)のディーリング益を稼いでいるといわれます。
しかし、これに対してはアメリカ国内でも「不公平ではないのか」との批判が高まっており、禁止するべきだとの世論が形成されつつあります。しかし、アメリカの金融機関が独自のノウハウで世界中で稼ぎまくっているのに、それを禁止するのは「国益に反する」との意見も根強くあります。仮にフラッシュ・オーダートレーディングが禁止されても、彼らはすぐに新しい技法を開発するでしょう。こうした状況に個人投資家はどのように対応するべきなのでしょうか。やはり、先物に振り回されず、内外の機関投資家の介入が少ない銘柄を狙うのが賢明な自衛手段と言えるのではないでしょうか。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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