人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.126 兜町で人気の動物は?
2009年9月17日更新
昨年の9月15日、リーマン・ブラザースが破たんして1年が経ちました。あっという間の1年と思うか、ようやく1年と思うかは人それぞれ分かれるところです。しかし、リーマン・ショック以降、世界同時不況が広がり、多大な影響を及ぼしました。各国は経済対策を実施しましたが、まだ本格的な回復にはいたっていません。そうした中、ゴールドマン・サックスのように最高益を上げるなど、業績が急回復している企業もあります。
ところでニューヨークのウォール街にも、相場格言があります。強気(ブル→牛)も弱き(ベア→熊)も儲けられるが、欲張り(ピッグ→豚)はダメだと教えています。日本の兜町では「欲に切りなし、地獄に底なし」と言います。つまり、行きすぎた貪欲さをいさめているのです。株式市場では豚のほかに閑古鳥(超閑散)や亀も嫌われます。亀は「手が合わない」(商いが成立しないの意)ため、嫌われるようです。
歴史上の相場巧者は例外なくみな謙虚です。松井証券の創業者である故・松井房吉氏のモットーは「国を信じるな」でした。戦前の金融恐慌のときに、「売り」で大当たりして都内本郷に豪邸を建てました。この新築祝いに招かれた人々が帰り際に、「使用人の住居は見たが、本邸はどこだったのか」と口ぐちに行ったといいます。実は使用人の部屋と思ったところがなんと「御主人」の住居だったのです。彼は「耐えて、耐えて、耐え抜く。忍耐だけが相場なり」という言葉を残しています。
最近の相場の世界では見切り千両!が主流です。ロス・カットの大切さを唱える指南書が多いのですが、著名な相場師の近藤信男氏、沢田米蔵氏、阿部彦太郎氏、松沢与七氏などいずれも故人ですが、「引かれ腰」の強さを武器としました。ようするにネバーギブアップの精神です。とはいっても、仕手株、材料株投資、および空売りのケースでは「引かれ腰」は命取りです。
兜町では亀は嫌われるといいますが。衆議員議員で実業家としても知られた故・梅原亀吉氏は、相場師の名声をほしいままにしていました。名前にちなみ、ゼニ亀を7匹飼育して毎日手を合わせて拝んでいたといわれます。そういえば、シンボルマークはがBull(雄牛)だったメリルリンチ証券はバンク・オブ・アメリカに買収されました。強気だけではウォール街は乗り切れないということでしょうか。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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