人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.132 格言通りの相場
2009年11月4日更新
「牛はつまづく!虎は千里を走る!」とは、兜町の格言です。2009年己丑(つちのとうし)の相場は、格言の通り、暴落の幕開け(日経平均株価は2009年3月10日に7,054円のバブル崩壊後の安値を示す)となりました。一方、2010年は庚寅(かのえとら)相場は、一気に千里を走るだけに、十分に期待できるのではないでしょうか。
そうです!虎は千里を走るのです。となると相場は急騰すると考えてもいいのでしょうか?いやいや早まってはいけません。今年はまだ丑年なので、年末にかけては波乱の展開が予想されます。NY市場に手詰まり感が台頭しそうなことに加え、不安定な為替、景気の失速を懸念する動きとなりそうです。
アメリカでは今年に入ってすでに、115行の銀行が倒産しました。シティグループの業績悪化、金融大手のCITの破産法適用申請など金融危機再燃の兆しも見られます。円高については1995年4月19日の1ドル=79円75銭どころか、「50円もありうる」といった極端な見方がささやかれていますが、日本の現状(国力)は目先はともかく、将来的には円安に向かいそうです。それに金融当局の本音は首脳の「円高容認」発言とは裏腹に、為替介入(ドル買い・円売り)のタイミングを探っている段階と思われます。おそらく、87~88円のサポートラインを突破された場合、円売りポジションに膨大な金額のロスカットが発生、一気に82~83円の水準まで円高が進む可能性があります。そこが介入のチャンスとなるのではないでしょうか。
東京マーケットでみると、買い手不在の状況もあります。外国人は有力ファンドが一部銘柄を一本釣り的に攻めていますが、主力部隊は様子見を決め込んでいます。加えて個人は高値掴みの玉をかかえ、身動きが取れない状況にあります。また生保など国内の機関投資家は総資産に占める株式のウエイト(現在、損保は21%、生保が8%、銀行が2%程度)を落とそうとしています。この背景には生保の場合、ソルベンシーマージン(保険金の支払い能力)比率規制強化(株式のリスク度を高める→2011年度実施)があります。
こうした状況での投資作戦は、基本的には「嵐のときには動くな!」「増水時の川底の金貨は拾うな!」、これがセオリーです。もちろん、リスクとリターンが背中合わせなのは確かです。明日、水が引いたらあの金貨を拾いに来ようと考えて、翌日来てみると、金貨は誰かに持っていかれていたということがないとも限りません。今年2~3月がそうであったように、常に波乱がチャンスなのは変わりありません。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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