人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.133 外国人に振り回される東京マーケット
2009年11月10日更新
株式市場は気迷い感を一段と強めています。東京マーケットは世界的な株高の流れに完全に背を向けた格好です。なにしろ、世界の株式市場が新興国を中心に、リーマン・ショック直前の水準に相次いで奪回しているというのに、TOPIX(東証株式指数)は2008年9月12日の水準(1177.20ポイント)を3割も下回っています。これには外国人投資家も呆れているのではないでしょうか。
ファンドマネージャーは上司に「お前は何をやっているのだ。低パフォーマンスのマーケットにこだわるな。元気な市場に資金を移せ」と怒鳴られているのでは?日本株に対してパッシブ系のロング・オンリーのファンド・マネージャージャーはみなクビになってしまう可能性が濃厚です。そのうち、持ち株はもちろんのこと、サジを投げるファンドが出てくると思います。
極端な出遅れは国際投資マネーの特性(運用手法の基本はアードトラジー→裁定)を考えると、いずれは修正されます。と同時に、一握りの銘柄がかつてのNY市場(1960~1970年代)におけるニフティ・フィフティ(すばらしき50銘柄)相場のように、独歩高を見せる可能性があります。もともと東京マーケットは外国人のシェアが高く、主体性にかける市場ですが、最近は一段とひどくなっているように感じます。海外市場はNYだけでなく、上海の影響を強く受けるようになっています。
この原因としては国内の投資家を育ててこなかったため、そのツケとの見方もあります。大手証券会社の場合、株式の売買手数料収入は外国株と日本株が完全に逆転しています。しかし、国民の利益として資本市場の大切さを考えるとき、これはいくらなんでもまずいのではないでしょうか。
とはいうものの、この段階で大騒ぎすることはありません。日経平均株価は11~12月に、9000円がらみの水準まで下げる可能性があります。しかし、すべての銘柄がインデックと同じ日に安値を示現するわけではありません。改めて述べるまでもありませんが、株価は好材料の出現が相次いだ局面において高値を付けます。この天底(素っ高値、ドン安値)出現の背景が逆転することはありません。悪材料が続出する状況下で、高値を付ける可能性はゼロに近いのです。逆に、好材料が続出する局面で安値をつけることはありません。
古来、天井圏では悪材料を探せ、なかったら売れ!底値圏では好材料を探せ、なかったら買え!といいます。今がまさにその時です。常にリスクとリターンは背中合わせです。この局面において必要なのはリスクをとる勇気なのです。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
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