人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.134 金融危機は克服されたが…
2009年11月19日更新
日本の株式市場は、このところはっきりしません。全面高になる日は短期的には、訪れそうにありません。なにしろ、投資家不在、政策無策状態です。加えて、政策の方向が成長戦略→「利益の分配」から、福祉向上→「負担の配分」に激変した以上、従来型の企業スタイルでは負担のみ課せられ、収益力が高まるはずありません。
こうした環境下で伸びていくにはユニークなビジネスモデルか、海外に活路を求めた企業群でしょう。日本でも検体検査機器のシスメックスのように世界150カ国に展開している企業もあります。鳩山政権は欧米型の福祉国家を目指しているようですが、日本の消費税は5%、大企業の法人税40.6%に対して、スウェーデンの消費税は25%、法人税は25%となっています。だからこそ、ノキア、エリクソンなどの国際企業が存在するのです。しかし、ないものねだりをしても仕方がありません。こういう状況では再三指摘しているように、現状を正しく認識し、リスク・マネージメントを徹底するしかありません。続く流れに逆らわず、ついていくのが儲けの道!なのです。
世界的にみると、金融危機はほぼ克服された!と判断しています。もちろん、後遺症は残っています。アメリカの場合、2009年の銀行倒産は119行に達し、ノンバンク大手のCTIは連邦破産法の適用を申請しました。失業率は10.2%(2009年10月時点)と高水準です。一方で、すでにオーストラリア、ノルウェーは緊急避難的な金融政策の修正(いわゆる出口戦略)どころか、利上げに踏み切りました。インド、ブラジルなどは金融引き締めに動いています。中でもブラジルなどは2009年10月20日以降、流入する外資(証券投資)に2.0%の税金を課しています。これは、「危機終了宣言」と受け止めていいのではないでしょうか。
アメリカ発の金融危機は克服されつつあります。景気の二番底があったとしても、心配することはありません。ただ、世界経済、社会構造が金融危機以前の状態に戻ることはないでしょう。特に、日本の場合は政治の役割が大きく変わりました。それは所得再分配機能を使った弱者救済であり、「利益の分配」が「負担の配分」に変化したのです。この変化を軽視してはいけません。今回の状況はまさに革命です。私は無血革命と形容しています。革命は流された血の量によって、変化の度合いが決まるといわれています。フランス革命、ロシア革命がそうです。
今回の革命は血が流れていないように思っている方が多いかもしれません。血はこれから流れる可能性があります。沈む企業、セクターが必ず出ます。それに、経済、社会、企業経営、株価などを取り巻く環境が激変します。革命では歴史的に、それによって利を得るグループと滅んでいくグループが登場します。くれぐれも沈みゆくグループに肩入れしたり、投資することのないようにしたいものです。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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