人生の目的はお金だ!というのは淋しいけれど、やっぱり幅を日利かせているのが、お金。
金が仇の世の中で、いかに迷わず惑わされずに生きていったらいいのか。
経済ジャーナリストの杉村富生さんが、山あり谷ありの人生模様が展開される兜町で、連綿と受け継がれる格言から体得した人生模様をつづるエッセイです。
Vol.135 物言えば唇寒し…の年の瀬
2009年12月11日更新
寒風吹きすさむ中、円高進行、ドバイ・ショックなど次から次に悪材料が出現して、マーケットおよび投資家はこれでもかこれでもかと痛めつけられています。急激な円高に加えて大量のエクイティ・ファイナンスの強行と、そこにドバイ・ショックが追い打ちをかけました。ドバイの問題については、マーケットでは「リーマン・ショックの再来」などと、ことさら危機感をあおる向きもあります。実際はどうなのでしょうか。
アラブ首長国連邦(UAE)の国際与信残高は1231億ドルで、ドバイ首長国の債務はこれに含まれており、10兆円強になります(リーマン・ショックでは1000兆円単位の不良債権が発生)。ちなみに、1231億ドルのうち886億ドルがヨーロッパ系の金融機関、アメリカ系が106億ドル、日系は89億ドルとなっています。ドバイ首長国の株価指数は2005年11月の8500ポイントを高値に、2009年1400ポイントと8割も急落しています。つまりバブルはとっくの昔に崩壊しているのです。何をいまさらといった感じです。
日本ではデフレが一段と深刻化して景気は失速しています。これでは株価も暴落するでしょう。しかし、いくら世情にうといお殿様であっても、鳩山政権はそこまで事態を放置するとはおもえません。すでに日銀は各金融機関に対してレート・チェックを始めていて、介入は秒読みであり、次は日銀のバランスシートを劣化させる政策である、ゼロ金利、量的金融緩和の復活、国債買い取り額の増額に着手することになるでしょう。
さて、日本は1980年代「東洋の奇跡」と称される戦後の復興、高度経済成長を経て、「ハイテク・ニッポン」としての地位を築き世界を席巻していました。1982年から87年の中曽根内閣では規制緩和のほか、3公社(現在のJR、NTT、日本たばこ)の民営化を断行し、日本経済を飛躍させました。そのころアメリカは、景気・株価ともに低迷し「ウォール街は死んだ」と言われていました。
しかし、1981年1月に就任したレーガン大統領が「偉大なアメリカの再興築」をスローガンに、数々の施策を実施します。規制緩和の推進、ディファクト・スタンダード(事実上の国際標準)の獲得、ベンチャー・ダイナミズムの波、インフォメーション・テクノロジー(情報通信)革命などに加え、税制改革、年金改革などを推進しました。その結果、それ以降のクリントン政権などの政策対応に支援され、NYダウは上昇しました。
日本は同じ時期に、長期的な理念も意志もないままに、失われた20年を過ごすことになりました。今の日本に必要なのは、長期的な視線、戦略です。これがなければ、この先の日本の飛躍的な復活は考えられません。
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杉村富生 著書紹介
杉村富生 プロフィール

杉村富生(すぎむらとみお)
経済評論家・日本FP協会正会員
1949年・熊本県生まれ
明治大学卒業
証券専門紙勤務後、1991年独立。
ユニークな市場分析と語り口で、投資家に人気で講演などで活躍中。
日本証券業協会の投資啓蒙セミナーのキャンペーン講師として、幅広い年代層に投資のリスクと必要性を説いている。
■主な著書
「株の仕組み」(日本実業出版)
「規制緩和」(実業の日本社)
「株価は2極化する」(ダイヤモンド社)
「経済ニュースを読みとく本」(実務教育出版)など多数
■主な出演番組
「ファイナンシャルBOX](ラジオ日経)
「株スタ」(ラジオ日経)他
■主な掲載誌
「暮らしと利殖」
「東京スポーツ」
「オール投資」
「経営者界報」他
■その他活動内容
銘柄情報メールマガジン「
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